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2026.02.05

誤出荷とは?物流倉庫で起こる原因と影響、すぐにできる防止対策

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誤出荷とは、注文と異なる商品や数量、宛先に商品を発送してしまう物流上のミスのことです。
ECサイトの運営や倉庫業務において、この誤出荷は顧客満足度の低下や不要なコスト増に直結する深刻な課題といえます。
誤出荷の主な原因は人的ミスですが、その背景には作業環境や管理体制の問題が潜んでいます。

本記事では、誤出荷が引き起こす具体的な影響を解説するとともに、現場で今日から実践できる対策から、システムを活用した根本的な解決策までを網羅的に紹介します。

そもそも誤出荷とは?よくある3つのパターン

誤出荷とは、受注した内容とは異なる商品を顧客に発送してしまうミスの総称です。
言い換えると、出荷段階での間違い全般を指し、物流品質を測る上で重要な指標となります。

この誤出荷は、顧客からのクレームに直結するため、その意味を正しく理解し、発生パターンを把握しておくことが不可欠です。
具体的には、商品の種類や数量の間違い、そして配送先の間違いという、大きく分けて3つのパターンが存在します。

商品の種類や色、サイズを間違えて出荷する

注文された商品とは異なる品番や、同じ商品でも色やサイズが違うものを送ってしまうのは、誤出荷の中で最も発生頻度の高いパターンです。
顧客は期待していた商品とは違うものが届くため、交換や返品の手続きを強いることになり、多大な迷惑をかけてしまいます。
このミスが発生すると、企業側は顧客への謝罪はもちろん、正しい商品を再送するための手間とコストが発生します。

物流品質の指標である誤出荷率はppm(partspermillion)という単位で管理されることもあり、1件のミスが全体の評価に影響を与えることを認識しなければなりません。
特にECサイトでは、商品の種類が豊富で類似商品も多いため、ピッキングや検品時の確認不足がそのまま誤出荷につながりやすい傾向があります。

注文と異なる数量の商品を出荷する

注文数よりも多く、あるいは少なく商品を出荷してしまう数量間違いも、頻繁に起こる誤出荷の一つです。
商品を少なく送ってしまった場合は、顧客からの問い合わせを受けて不足分を追送する必要があり、顧客満足度の低下は避けられません。

逆に多く送った場合は、顧客に返送を依頼するか、そのまま受け取ってもらうかといった対応が求められます。
いずれの場合も、データ上の在庫と実在庫に差異が生じる直接的な誤出荷の原因となり、後続の販売機会損失や過剰在庫につながるリスクをはらんでいます。

届け先や宛名を間違えて出荷する

注文者とは全く別の宛先に商品を発送してしまう誤出荷は最も深刻な事態を招く可能性があります。
このミスは商品のピッキング作業が完了し梱包して送り状を貼り付ける最終段階で発生することが多いです。
単に商品が届かないという問題だけでなく送り状に記載された氏名住所電話番号さらには購入商品といった個人情報が第三者に渡ってしまうことを意味します。

個人情報漏洩は企業の社会的信用を著しく損ない損害賠償問題に発展するケースもあるため最大限の注意を払うべきミスです。

誤出荷が引き起こす深刻な影響

誤出荷は、単に「間違った商品を送ってしまった」という単純なミスでは済みません。
一つの誤出荷から、顧客の信頼喪失、想定外のコスト発生、在庫管理の混乱、さらには個人情報漏洩といった、事業の根幹を揺るがしかねない深刻な問題へと連鎖的に発展します。

発生後の対応に追われるだけでなく、企業のブランドイメージや経営そのものに長期的なダメージを与える可能性があるため、その影響の大きさを正しく理解しておくことが重要です。

顧客からの信頼を失いブランドイメージが低下する

一度の誤出荷でも、顧客が企業に対して抱く信頼は大きく損なわれます。
特にECサイトでは、顔が見えない取引だからこそ、正確な配送が信頼の基盤です。
ミスを経験した顧客がリピート購入をしなくなるだけでなく、SNSやレビューサイトでネガティブな評判が拡散されれば、新規顧客の獲得機会まで失いかねません。

ブランドイメージの低下は売上に直接的な影響を及ぼすため、ミスが起きた後のフォローはもちろん、再発防止に向けた継続的な業務改善が不可欠となります。

再発送や返品対応で想定外のコストが発生する

誤出荷が発生すると、本来は不要なはずの様々なコストが生じます。

具体的には、正しい商品を再発送するための送料や、誤って送ってしまった商品を引き取るための返送料、そして交換作業に関わるスタッフの人件費、梱包資材の費用などが含まれます。
これらのコストは全て企業の利益を直接圧迫する要因となります。

特に、低価格帯の商品を扱っている企業の場合、一度の誤出荷がその取引から得られる利益を全て帳消しにしてしまうことも少なくありません。

例えば、1個あたり500円の商品を販売し、送料が往復で1,000円かかった場合、誤出荷が発生するとこの取引では赤字になってしまいます。
したがって、誤出荷ゼロを目指すことは、顧客満足度の向上だけでなく、企業の利益を確保し、直接的なコスト削減に大きく貢献するといえるでしょう。

実在庫とデータ上の在庫に差異が生じる

商品の種類や数量を間違えて出荷すると、倉庫内の実際の商品数と、管理システム上に記録されているデータ上の在庫数にズレが生じます。
この在庫差異は、ECサイト上で「在庫あり」と表示されているにもかかわらず、実際には商品がなくて販売できない「機会損失」や、逆に「在庫なし」となっている商品が倉庫に残っている「過剰在庫」の原因となります。

正確な在庫管理は事業の基本であり、誤出荷がその根幹を揺るがすことで、棚卸作業の負担増大やキャッシュフローの悪化にもつながります。

個人情報漏洩につながるリスクがある

届け先や宛名を間違える誤出荷は、極めて深刻な個人情報漏洩インシデントに直結します。
誤った配送先の第三者に、本来の届け先である顧客の氏名、住所、電話番号、そして購入履歴といった機微な個人情報が知られてしまうためです。

これはプライバシーの侵害にあたり、企業のコンプライアンス体制が問われる重大な問題です。
場合によっては、個人情報保護法に基づく監督官庁への報告義務が発生するだけでなく、漏洩した個人情報の悪用による損害賠償請求に発展する可能性も否定できません。
企業の社会的信用を根底から覆しかねない、最も避けなければならない誤出荷の形態です。

なぜ誤出荷は起こる?物流倉庫でよくある5つの原因

誤出荷の多くは、作業者の確認不足や思い込みといったヒューマンエラーが直接的な引き金となります。
しかし、エラーを個人の責任として片付けるのではなく、なぜそのようなミスが起こりやすい環境になっているのか、その背景にある構造的な原因を突き止めることが重要です。

物流倉庫の現場では、管理体制の不備や作業環境の問題がヒューマンエラーを誘発しているケースが少なくありません。
ここでは、誤出荷につながりやすい代表的な5つの原因を解説します。

思い込みや確認不足によるピッキングミス

ピッキングリストに記載された品番やロケーション番号、数量などを一つひとつ確認せずに、「いつもの商品だろう」「この場所にあるはずだ」といった思い込みや慣れで作業を進めてしまうことが、ピッキングミスの最大の原因です。

特に、経験の長いベテラン作業員ほど、無意識のうちに確認作業を省略してしまう傾向があります。
例えば、特定の棚に長年同じ商品が置かれていると、リストを確認せずに「いつもの場所だから」と商品を取ってしまうケースがあります。

しかし、稀にロケーション変更や商品入れ替えが行われていると、この思い込みが誤ったピッキングにつながります。

また、繁忙期などで作業に追われて焦っている時なども、注意力が散漫になりがちです。
急いでいるあまり、リストと商品の品番を照合する時間が短縮されたり、数量を数え間違えたりといった単純な確認不足から、誤った商品を手に取ってしまうケースが頻発します。

このような状況は、作業員個人の責任として片付けるのではなく、作業環境や手順の見直し、十分な人員配置を行うことで未然に防ぐことが可能です。
基本的な確認動作の徹底がいかに重要であるかを、改めて認識する必要があるでしょう。

商品や棚のロケーション管理が徹底されていない

商品の保管場所であるロケーションの管理ルールが曖昧であったり、情報が適切に更新されていなかったりすると、ピッキングミスが発生しやすくなります。
具体的には、本来あるべき棚とは違う場所に商品が置かれていたり、一つの棚に複数の類似商品が混在していたりする状況では、作業者は正しい商品を見つけ出すのに時間がかかり、結果として間違ったものをピッキングしてしまうことがあります。
このような品番が異なる類似商品が同じ棚に混在している状況では、目視での確認だけでは判断が難しく、間違いが起こりやすくなります。

どこに何があるかを誰もが正確に把握できる、整理整頓されたロケーション管理は、誤出荷を防ぐための基本的な土台となります。

検品作業が形骸化している

出荷前の最終防衛ラインであるべき検品作業が、単なる流れ作業になってしまい、チェック機能が働いていないケースも誤出荷の原因となります。
ピッキングした作業者自身が検品を行う「セルフチェック」では、思い込みによるミスを見逃しがちです。

また、出荷時間に追われる中で検品がおろそかになったり、チェックリストが存在せず担当者の経験則に頼っていたりすると、本来発見できたはずのミスがそのまま通過してしまいます。
検品が本来の目的を果たしていない状態は、非常にリスクが高いといえます。

梱包時に送り状を貼り間違える

ピッキングと検品が正しく行われたとしても、最終工程である梱包作業でミスが起きることがあります。
特に複数の注文を同時に処理している際に、梱包済みの箱と印刷した送り状の組み合わせを取り違えて貼り付けてしまうケースが代表的です。
このミスは、届け先間違いという最も深刻な誤出荷につながります。

作業スペースが狭く、複数の荷物や伝票が混在しやすい環境で発生しやすいため、梱包エリアの整理整頓や、一度に処理する注文数を制限するなどの工夫が求められます。

類似商品が多くて見分けがつきにくい

品番は異なるものの、パッケージのデザインが酷似している商品や、色・サイズ展開が豊富なアパレル商品などは、見た目だけで正確に判断することが難しく、ピッキングミスを誘発しやすいです。
特に、バーコード管理が導入されておらず、目視での確認に頼っている現場では、作業者の思い込みや勘違いによるミスが頻発します。

商品の品番やJANコードを隠すような保管方法も、確認作業を困難にし、ミスの原因となります。
誰が見ても間違いようがない仕組みづくりが不可欠です。

今日からできる!誤出荷を防ぐための基本的な対策

誤出荷を削減するためには、大規模なシステム投資をせずとも、現場の運用を見直すことで改善できる点が数多く存在します。
重要なのは、特定の個人のスキルや注意深さに依存するのではなく、誰もが同じように正確な作業を行える仕組みと環境を構築することです。

ここでは、すぐに着手できる基本的な対策を紹介します。

誰でも同じ作業ができるようルールを明確化する

作業者ごとのやり方の違いや自己流の判断が、ミスの温床となります。
これを防ぐためには、ピッキングから検品、梱包に至るまでの一連の作業手順を標準化し、誰が見ても理解できるマニュアルとして文書化することが重要です。

例えば、「ピッキングリストは必ず指差し確認する」「商品はバーコードをスキャンしてから棚に入れる」といった具体的な行動レベルまでルールを定めることで、作業品質のばらつきをなくします。
新人教育がスムーズに進むだけでなく、業務全体の品質向上にも寄与します。

倉庫内を5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)で管理する

5Sとは、「整理」「整頓」「清掃」「清潔」「躾」の頭文字を取ったもので、職場環境を維持・改善するためのスローガンです。
特に「整理(不要なものを捨てる)」と「整頓(必要なものを使いやすく配置する)」を徹底することで、作業効率は大きく向上します。

商品や備品の置き場所を定め、表示を明確にすれば、探す時間が短縮され、ピッキングミスも起こりにくくなります。
常に清潔で整った倉庫は、作業者の安全意識や品質意識を高める効果もあり、誤出荷防止の基盤となります。

ヒューマンエラーを防ぐダブルチェック体制を築く

一人の作業者の思い込みや見落としを防ぐためには、ピッキング担当者とは別の担当者が検品を行うダブルチェックが有効な手段です。
異なる視点で確認することで、ミスを発見できる確率が高まります。

ただし、ただ二人で見るだけでは責任の所在が曖昧になり、かえってチェックが甘くなる可能性もあります。
そのため、「誰が」「何を」「どのように」チェックするのかを明確に定めたチェックリストを用意し、確認の証跡を残す運用にすることが、ダブルチェック体制を形骸化させないためのポイントです。

十分な作業スペースを確保して動きやすくする

通路が狭かったり、作業台がもので溢れていたりする環境は、作業者のストレスとなり、注意力を散漫にさせます。
また、人と人がすれ違う際に商品を落としたり、梱包済みの荷物とこれから梱包する荷物が混在したりと、ミスを誘発する原因にもなります。

ピッキングカートがスムーズに通行できる通路幅を確保し、梱包作業に必要な資材を整理して十分なスペースを作るなど、物理的な作業環境を整えることが重要です。
安全で動きやすい動線は、作業効率の向上とミスの削減に直結します。

誤出荷の根本解決にはシステムの導入が効果的

日々の運用改善や基本的な対策も重要ですが、人が作業する以上、ヒューマンエラーを完全にゼロにすることは困難です。
誤出荷を根本的に解決し、より高いレベルの物流品質を目指すためには、人的作業への依存度を下げ、テクノロジーの力でミスを防止する仕組みの導入が極めて効果的です。

特にWMS(倉庫管理システム)やハンディターミナルといったツールは、作業の正確性と効率を飛躍的に向上させ、誤出荷のリスクを大幅に低減させます。

WMS(倉庫管理システム)で人的ミスを削減する

WMS(倉庫管理システム)は、商品の入荷、検品、保管、ピッキング、出荷まで、倉庫内の一連の作業と在庫情報を一元的に管理するシステムです。

このシステムを導入することで、商品の保管場所(ロケーション)がデータで正確に管理されるため、作業者はどこに何があるかを探し回る必要がなくなります。

また、WMSは効率的な作業指示を出す機能も持ち合わせており、例えば、システムが最も効率的なルートや推奨ロケーションでピッキング指示を行うことで、作業者の経験や勘に頼ることなく、誰もが標準化された高い品質で作業を遂行できるようになります。

これにより、ロケーション間違いや商品間違いといった人的ミスを大幅に削減することが可能です。
さらに、リアルタイムでの在庫状況の把握や、入出庫履歴の追跡が可能となるため、在庫差異の発生防止にも貢献し、より精度の高い倉庫運営を実現できます。

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ハンディターミナルで照合作業を自動化する

ハンディターミナルは、WMSと連携して使用されるバーコード読み取り用の携帯端末です。
作業者はピッキングや検品の際に、商品のバーコードをスキャンするだけで、システム上の指示と合っているかを瞬時に照合できます。
もし間違った商品のバーコードをスキャンした場合は、エラー音や画面表示で警告が出るため、その場でミスに気づき、正しい作業に戻ることができます。

目視による確認作業を機械的な照合に置き換えることで、思い込みや見間違いによるミスを確実に防ぎ、作業精度を格段に向上させます。

まとめ

誤出荷は、顧客の信頼喪失やブランドイメージの低下、予期せぬコスト増大を招く、物流業務における重大な問題です。
その原因の多くはヒューマンエラーに起因しますが、背景には作業ルールの不備や整理整頓されていない倉庫環境など、管理体制に起因する課題が潜んでいます。
まずは、5Sの徹底や作業マニュアルの整備、ダブルチェック体制の構築といった、現場ですぐに取り組める対策から始めることが重要です。

さらに、誤出荷を根本から撲滅し、持続的に高い物流品質を維持するためには、WMSやハンディターミナルといったシステムを導入し、人的ミスが発生しにくい仕組みを構築することが不可欠です。

 

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執筆者:アトムエンジニアリング コラム編集室|M氏

『誠実に、分かりやすく、役立つ情報』をモットーに、日々、読者の皆様の物流現場でお役立ていただける実践的な知見の発信に努めております。 日本の当たり前にモノが届く「信頼の物流」を支えるため、尽力してまいります。どうぞよろしくお願い申し上げます。

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